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マーケティングでのベネフィットとは?意味・種類・効果・活用法

マーケティングでのベネフィットの意味は「商品やサービスを購入で、顧客が得られる効果や利益」です。ベネフィットは、マーケティングで重要な役割があります。今回は、マーケティング施策で知っておきたいベネフィットの効果と種類、活用方法について紹介します。

マーケティングでのベネフィットの意味

ベネフィットの直訳は、「利益」「恩恵」「便益」です。マーケティングでのベネフィットは、「顧客が商品やサービスから得られる効果や利益」を意味します。これは、顧客が商品やサービスを使うことで得られる「肯定的な変化や体験」「理想的な未来像」です。

マーケティングでのメリットとベネフィットの違い

ベネフィットと混同しやすいのが、メリットです。メリットは、競合製品や従来商品と比べた「商品やサービスの強みや特徴」を意味します。ベネフィットが顧客視点の概念であるのに対して、メリットは企業視点の概念です。企業がメリットをアピールしても、必ずしも顧客が評価するとは限りません。

では、ここでビデオカメラを例にメリットとベネフィットを見ていきましよう。

メリット

ハンディビデオカメラ

  • 撮影時、本体約215gの軽量(前機種より約14%軽量化)
  • 手持ち撮影でもブレない「光学式手ブレ補正」搭載
  • 光学30倍ズームと60倍の全画素超解像ズーム
  • 動画撮影中に、写真の同時記録ができる

ベネフィット

体力のないお母さんでも楽々撮影できて安心。運動会で小さいお子さんの姿を、追いかけなら長時間撮影しても手が疲れません。遠い場所からでも、手ブレせずにお子さんの笑顔がはっきりと撮れます。動画撮影中に撮影した写真は、運動会に来れなかったおじいちゃん・おばあちゃんに送れば、きっと喜んでもらえますよ。

メリットから、顧客は自分の状態にどんな肯定的な変化があるか想像しずらいです。顧客視点に立ちベネフィットを伝えることで、顧客が得られる「肯定的な変化や体験」「理想的な未来像」が具体化されます。顧客はメリットを買うのでなく、その先にあるベネフィットを購入します。

3種類のベネフィット

ベネフィットには、次の3種類があります。

機能的ベネフィット

商品やサービスの機能面から得られるベネフィットです。便利さや効率性などをいいます。

  • 使いやすい
  • 軽い
  • 性能がいい
  • 美味しい
  • 早い

情緒的ベネフィット

商品やサービスから得られる感情的なベネフィットです。肯定的な感情をいいます。

  • 楽しい
  • 嬉しい
  • 安心感
  • 優越感
  • 開放感

自己実現ベネフィット

商品やサービスから得られる自己表現・自己実現がベネフィットです。顧客の人生や生活スタイルに影響を与えるような効果をいいます。

  • 昇進につながる
  • 自分の時間を確保できる
  • 自分に自信が持てる
  • ストレスがなくなる
  • 美しくなる

マーケティングでの効果

ベネフィットには、マーケティング施策での重要な役割があります。ベネフィットがマーケティングで重視されるのは、以下のような効果があるからです。

顧客視点を引き出せる

マーケティング成功の鍵は、顧客視点です。顧客視点とは、顧客が自分でも自覚してないインサイト(隠れた心理)までも見抜いて、商品やサービスの価値を可視化することです。ベネフィットは企業視点ではなく顧客視点で考えます。そのため、顧客からみた商品やサービスの価値を見抜きやすくなります。

顧客の購買意欲を高める

顧客は商品やサービスを購入する際に、それらを購入した時に得られる利点を想像します。ベネフィットの提示は、顧客が肯定的な未来像をえがく助けになります。ベネフィットは顧客の感情を刺激し、購買意欲を高めることができます。

競合との差別化

似たような商品やサービスが多い場合、メリットを説明するだけでは購入の決め手にはなりません。ベネフィットを顧客に上手く伝えることで、商品やサービスから得られる具体的な体験や変化を実感できます。ベネフィットには、競合と自社製品を差別化し販売力を高める効果があります。

マーケティング施策でのベネフィットの活用方法

マーケティング施策で、ベネフィットは以下のような手順で活用できます。

1. ペルソナ設定と悩み・欲求の摘出

商品やサービスを利用してくれる具体的な人物像が、ペルソナです。ペルソナ設定では、年齢・性別・職業・趣味・価値観などを詳細に設定し、ペルソナを明確化します。明確化したペルソナから、普段どんな生活をしていてどんな悩みや欲求を持っているかを摘出します。

2. ペルソナが共感できるストーリーをつくる

ペルソナの悩みや欲求の背景にあるストーリーを作成します。次に、ペルソナが共感できるストーリーの共有をはかります。これは、商品やサービスを利用することでペルソナの悩みや欲求が解決することに気づいてもらうためのアプローチです。

3. ペルソナの悩み・欲求を解決するペネフィットの提示

最後に、ペルソナが商品やサービスを利用すること得られるベネフィットを提示します。3種類のベネフィットを意識して盛り込むことで、より多くの見込み客の購買意欲を高めやすくなります。

まとめ

マーケティングでベネフィットには、商品やサービスの価値を顧客視点で引き出すことができます。また、競合と差別化をはかりながら、見込み客の購買意欲を高める効果があります。マーケティング施策でベネフットを上手く活用するには、ペルソナ設定をしっかりとおこなうことが大切です。