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短歌の投稿先はどこがいい?難易度0から新人賞までを紹介

今、「ミレニアル世代」や「Z世代」と呼ばれる若い世代が、現代短歌を牽引しています。短歌に興味がある、あるいは創作している人もいるかも知れません。創作した短歌は、どこに投稿・発表できるのでしょうか?今回は、短歌の投稿先の選定で気をつけたいポイント、難易度0から新人賞までの投稿先を紹介します。

若い世代に人気が高まる短歌って何?

短歌は、五七五七七の三十一文字で詠まれる歌です。俳句のように季語は必要とせず、主に生活の中で感じたことを歌にします。奈良時代には、日本最古の歌集「万葉集」が編纂されました。「万葉集」には、天皇や貴族から下級役人や九州の防人まで、様々な社会階級の人々の歌がおさめられています。
1300年以上の歴史がある短歌は、年配の人が好むというイメージがあります。しかし、現代短歌は「ミレニアル世代」や「Z世代」と呼ばれる若い世代に人気です。その理由は、短文でSNSから自分の感情を発信することに慣れていたことで、創作のハードルが下がったことです。今、短歌は、世代を超えたカルチャーとして親しまれています。

短歌の投稿先、選択のポイント

投稿先を選択するには、どのような点に気をつけるとよいでしょうか?いくつか考えてみます。

選者の有無

選者がいる投稿先は、選定されないと作品を発表することができません。そのため、作品発表へのハードルも高くなる傾向があります。気軽に短歌を発表したい場合は、選者がいない投稿先がおすすめです。

選者が誰か

選者は、一線で活躍されている方が一般的です。逆にいえば、歌の良し悪しを評価してもらう絶好の機会ともいえます。それが、選者が誰かで投稿先を選択する方法です。自分の好きな歌人や、作品を評価してもらいたいと思う選者がいる投稿先を選びます。

有料か無料か

各短歌賞への応募では、応募料が発生することがあります。料金は、各賞によりさまざまです。必ず公式サイトで要項を確認し、応募するようにしましょう。

短歌の投稿先を選択しよう

短歌の投稿先には、具体的にどんなものがあるのでしょうか。前述した選択のポイントをふまえながら紹介します。

SNS

もっとも簡単に投稿できるのがSNSです。自分の好きなテーマの短歌を好きなタイミングで投稿できます。#tanka、#短歌などのハッシュタグをつけて投稿すれば、投稿を見つけてもらいやすいです。SNS投稿の利点は、短歌の世界観を表す写真や動画も一緒に投稿できることです。また、いいねやリツイートで反応もわかります。
選者がいる公募は、気軽に応募しづらいですが、日常的に短歌をSNSに投稿するなら簡単にできそうです。初心者の方はまず、X(旧Twitter)やInstagramなどのSNSへの投稿から始めてみてはいかがでしょうか。

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短歌投稿サイト

短歌投稿サイトには、短歌を投稿するだけでなく投票を受けたり、逆に他の人の短歌を評価する仕組みがある場合が多いです。他の人の作品を多く読むこともできるので、創作の刺激になります。オンライン歌会を開催しているサイトもあります。歌会とは、歌人が集まって詠んだ歌を読みあげて批評し合う会です。

Utakata

短歌投稿・共有サイト。短歌を縦書きで美しく表現します。アカウント登録して、全機能を無料で利用できます。ルビを振りたい文字列にルビをうつ、短歌に「いいね」する、X(旧Twitter)での短歌シェアなどの機能があります。

うたたね

会員登録はなく、短歌を「詠む」「読む」、どちらも楽しめる短歌投稿サイト。歌だけでなく、感想やコメントを大切にしています。すでに発表している短歌の投稿も受け付けています。ただし、権利が投稿者にあるものです。新聞や賞に入選した作品は、権利が主催者にあることが稀にあるので注意が必要です。

うたの日

会員登録はなく、誰でも自由に書き込めて参加できる短歌投稿サイト。無料でオンライン歌会に参加できます。オンライン歌会では、毎日複数のお題が設定され、短歌の投稿・投票・評(コメント)が行われています。

うたのわ

無料歌人登録で、短歌を投稿できます。投稿した短歌は、他の歌人から評をもらえます。評価が高い歌は、「人気のうた」にランクインします。他の歌人と歌でメッセージ交換か可能。歌会の開催・参加もできます。

短歌荘

会員登録せず「名無し」でも投稿ができる無料短歌投稿サイト。気にいった短歌には「いいね」をしたり返歌ができます。「いいね」した投稿や自分の投稿を履歴で残して、あとで見返すことができます。

フリーペーパー

短歌専門のフリーペーパーへの投稿です。テーマにそった短歌を投稿し、選歌が掲載されます。

うたらば

現代短歌の魅力を、短歌を知らない人に向けて発信するフリーペーパーです。2010年創刊、2016年から中学校の国語の副教材に掲載。2018年には、日本タウン誌・フリーペーパー大賞にて、コミュニティ・ライフスタイル部門で最優秀賞を受賞しています。

雑誌の短歌投稿コーナー

文芸系雑誌や短歌総合誌などの短歌コーナーへの投稿で、選歌が掲載されます。一線で活躍する歌人の方に、歌を選定してもらい評をもらえるのが魅力です。

ダ・ヴィンチ「短歌ください」

ダ・ヴィンチは、KADOKAWAが出版する文化・エンターテイメントに焦点を当てた総合週刊誌。穂村弘さん連載の「短歌ください」では、短歌を募集しています。

短歌

1954年創刊の、角川学芸出版が出版する短歌総合誌。新人賞「角川短歌賞」を主催。

歌壇

1987年創刊の、本阿弥書店が出版する短歌専門誌。新人賞「歌壇賞」を主催。

短歌研究

1932年創刊の、短歌研究社が出版する短歌総合誌。現在出版されている短歌専門誌の中で、もっとも古い歴史を持つ。「短歌研究新人賞」を主催。

現代短歌

短歌新聞社から出版されていた「短歌現代」を前身に、現代短歌社が2013年に創刊。新人賞「現代短歌社賞」を主催。

NHK短歌

NHK(日本放送協会)が主催する短歌のコンクールです。毎週決められたテーマの短歌を募集。入選した作品は、NHKの短歌番組「NHK短歌」で紹介されます。入選作以外の優れた作品も、番組関連の放送や出版で紹介されることがあります。

新聞歌壇

新聞紙上の短歌投稿欄への投稿です。有名歌人の方が選者で、選歌が掲載されます。応募方法は、媒体により違います。

朝日歌壇

朝日歌壇は、1910年に石川啄木を選者に始まりました。1970年ごろから、日本を代表する歌人が投稿から優れた作品を選び、解釈と評価をくわえる構成になりました。

東京歌壇

東京歌壇は、東京新聞の短歌投稿欄です。選者は4名いて、投稿時に好きな選者が選べます。選者ごとの特選2首には、評がつきます。

日経歌壇

日経歌壇は、日本経済新聞の短歌投稿欄です。毎週土曜日付けの朝刊詩歌・教養面で、読者の短歌を募集。

毎日歌壇

毎日歌壇は、毎日新聞の短歌投稿欄です。選者は4名いて、投稿時に好きな選者が選べます。

読売歌壇

読売歌壇は、読売新聞の短歌投稿欄です。選者は4名いて、投稿時に好きな選者が選べます。

各短歌賞

短歌賞への応募です。入賞者へは、賞金や賞状の授与、歌集の出版などの特典があります。その分、応募者は多くなる傾向があり、入選の難易度も高まります。短歌愛好者用の懸賞コンテストや、プロ専門歌人の発掘用賞などがあります。応募料の支払いが必要な場合があるので、注意しましょう。作品は、著作権や知的財産権を侵害しないこと、未発表作品に限ることなども、意識する必要があります。

角川短歌賞

角川学芸出版が出版する「短歌」が毎年公募する新人賞。歌壇で権威のある新人賞の一つ。受賞者に、俵万智さんや小島なおさんらがいます。

歌壇賞

阿弥書店が出版する「歌壇」が毎年公募する新人賞。プロの専門歌人を発掘するための登竜門的な賞。受賞者に、東直子さんや中沢直人さんらがいます。

短歌研究新人賞

短歌研究社が出版する「短歌研究」が毎年公募する新人賞。受賞者に、中城ふみ子さんや寺山修司さんらがいます。

現代短歌社賞

現代短歌社が主催する第一歌集出版を後押しするための公募です。受賞作品は、歌集として出版されます。

まとめ

短歌の投稿先は、様々です。投稿の際は、著作権や知的財産権の侵害、二重投稿などにも気を配る必要があります。短歌投稿の際は、概要をよく確認し、自分の用途や希望にあわせて投稿先を選択していきましょう。